2009年02月08日

道のコミュニティカレッジ(興津宿・薩った峠)実施

平成20年度の「道のコミュニティカレッジ」(興津宿・薩った峠)を実施しました。

道のコミュニティカレッジは、日頃利用している「道」を題材に、歩いて、学んで、考え、市民が道やまちづくりへの関心を高めていくことを目指している講座です。
今年のカレッジは、興津宿と薩った峠を題材に「静岡県地質調査業協会」と協働で実施しました。



■実施日  平成21年2月8日(日)晴れ
■参加者  36名
■集 合  興津生涯学習交流館(興津図書館)
■内 容  1)座学
        ①自然災害と暮らしの基盤づくり(静岡県地質調査業協会秋山氏)
        ②南北軸をつくり地域をつなぐ(国交省静岡国道事務所大久保監督官)
        ③東海道2峠6宿駿河歩人ナビシステム(地域づくりサポートネット高木)
       2)ウォーキング(興津宿~薩った峠~由比・倉沢)

座学
①自然災害と暮らしの基盤づくり
静岡県地質調査業協会の秋山氏から静岡県及びさった峠周辺の地質構造や自然災害の歴史、対策のための工法など技術的かつ専門的な話を学びました。地質からさった峠を見ると新しい発見がありました。
また、昭和50年の七夕豪雨では、東海道本線が6日間止まり、国道1号は4日間通行止め、東名は23日間止まるなど、さった峠から由比に至るエリアは日本経済に与える影響が大きいことを再認識しました。

②南北軸をつくり地域をつなぐ
国土交通省静岡国道事務所の大久保監督官より駿河と甲斐を結ぶ古道(身延道など)の役割について説明がありました。
静岡市と甲信地方を結ぶ国道52号線が5年間で35回雨量規制により通行止めに合うことを学びました。
 中部横断自動車道は、そのような意味でも必要であることを学びました。


③東海道2峠6宿駿河歩人ナビシステム
地域づくりサポートネットの高木より、東海道2峠6宿駿河歩人ナビシステムの説明を行いました。コミュニティカレッジから得た経験を活かし、「いつでも誰でも歩きながら地域を学べる仕組み」として道のエコミュージアムを立ち上げ、平成20 年度は東海道2 峠6 宿駿河歩人の社会実験事業にも取り組んでいることを説明しました。


ウォーキング
興津生涯学習交流館⇒JR 興津駅(約0.8km)⇒薩った峠・中道
         ⇒望嶽亭(約4.6km)⇒JR 由比駅(約2.0km)

興津宿を歩く
興津宿周辺の旧家は、武田信玄公縁の末裔が多いなど、身延道をはじめ南北とのつながりが強かった場所です。
その興津の町づくりや魅力の再発見なども盛り込んで行いました。
興津は「あんこ」のふるさととも言われ、全国の製あん業者には興津出身者が多いと言います。昔ながらの「たい焼き」を食べながら、のんびり歩きました。

薩埵峠を歩く
薩った峠周辺は、交通の要衝でありながら「親知らず子知らず」といわれ、自然災害も多く、昔から山の状況を理解しながら道づくりを行ってきています。
家康公が朝鮮通信使のために開いた「峠の道」と現在の整備を学んで考えてみました。
富士山と寒桜が美しく、多くのウォーカーがいました。









富士山をバックに参加者全員で記念撮影。


望嶽亭藤屋を訪ねる
峠を下ると間の宿・倉沢の茶屋「望嶽亭藤屋」で一休み。望嶽亭藤屋の23代目当主婦人の「松永さだよ」さんから東海道やさった峠の歴史、望嶽亭と山岡鉄舟の事件を語ってもらいました。日本の大転換期に望嶽亭藤屋主人の果たした功績を学びました。










2月ではありましたが、冬の薩った峠は、美しい富士山を眺めながら歩けるので、温暖な静岡ならではの魅力のコースです。



  


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2008年08月25日

全国j街道交流会議高岡大会に行ってきました

全国街道交流会議 第6回全国大会高岡大会に行ってきました。
平成20年8月22日(金)・23日(土)の2日間、富山県高岡市で開催されました。
今年7月に全線開通した「東海北陸自動車道」を祝い、かつ来年の高岡城開城400年のプレ事業をかねて開催されたものです。



■今年のテーマ
「千年往来」-アジア回廊の創出に向けて
-道が拓く環日本海の世紀-

天平の時代、大伴家持は越中守として、奈良の都から越中国府まで300キロもの道を辿った。はるか遠く、国家としての道が意識され始めた頃 、1300年もの昔のことであります。

古代から近代・鉄路の時代が到来するまでは、日本海がわが国の交通の大動脈でありました。この100年、交通の中心的役割は太平洋側にありましたが、今、東海北陸自動車道という強大なダイナミズムを持つ新墾(にひばり)の街道(みち)がこの地に生まれようとしています。1000年を超える長きにわたって、積み重ねられてきた人や文化の往来とそれに育まれた風土を見つめ直し、これからの交流軸を活かして”環日本海”というスケールで考える大会でした。

基調鼎談は、アジア廻廊の創出に向けてというテーマで環日本文化圏を築くための議論を交わしました。
森地茂さん(財団法人運輸制作研究機構副会長)、矢野弘典さん(中日本高速道路㈱代表取締役会長)、石井隆一さん(富山県知事・元静岡県の総務部長、静岡・未来・人づくり塾塾長)

分科会は、4つの研究会に分かれて議論し、Tネットのメンバーはそれぞれの研究会の司会進行役を務めました。
また、研究会終了後、高岡大会総括があり、次回開催地「鳥取市」に大会旗が渡されました。


交流会では、石井知事(富山県)と話をしました。(私山内も第3期の未来づくり塾の塾生でした)
石井知事は、富山県で「塾」を開いており、一緒に参加した静岡県職員小泉氏(Tネット理事)も当時未来づくり塾の担当者)と共に、「富士山静岡空港も開港するので、日本海交流の第1歩として塾生交流をやろう!」と盛り上がりました。

翌日は、2つの現地見学会に参加しました。
その中で「近世高岡の文化遺産群」を訪ねるコースに参加。
これは、前田利長公によって開かれ、世界遺産暫定リスト登録を目指している高岡の名所をめぐりました。
  


Posted by T-NET at 19:50Comments(0)街道